画像加工は無料の「ART a fork of Raw Therapee」

「一眼レフやミラーレスカメラで撮った写真、もっと素敵に仕上げたいな…」
「RAW現像に挑戦したいけど、Lightroomなどの有料ソフトは高くて手が出ない…」

そんな悩みを抱えるすべての写真好きに朗報です！

今回ご紹介するのは、完全無料でありながら、プロ向けの有料ソフトに匹敵するほどの機能を備えたRAW現像ソフト**「ART」**です。

この記事では、ARTの魅力から基本的な使い方まで、誰でもRAW現像を始められるように分かりやすく解説していきます。

ARTは、もともと人気の無料RAW現像ソフト「RawTherapee」から派生（フォーク）して開発されたソフトウェアです。RawTherapeeの強力なエンジンを引き継ぎつつ、より直感的で使いやすいインターフェースを目指して作られました。

そんなARTの魅力を3つに絞ってご紹介します。

魅力①：完全無料でここまでできる！驚きの高機能

ART最大の魅力は、なんといっても**「無料」**であること。
有料ソフトの代名詞であるAdobe Lightroomなどで使える機能の多くが、ARTでは無料で利用できます。

• 非破壊編集： 元の画像データを壊さずに編集できるので、何度でもやり直しOK！
• 詳細な露光・カラー調整： 明るさ、コントラスト、彩度、色相などを細かく調整可能。
• ノイズ除去・シャープネス： 暗い場所で撮影した写真のノイズを減らしたり、ディテールを際立たせたりできます。
• レンズ補正： レンズによる歪みや色ズレを自動で補正してくれます。

これだけの機能が無料で使えるのは、まさに驚きです。

魅力②：初心者にも優しい、シンプルで分かりやすい画面

高機能なソフトは、メニューが複雑で挫折しがち…。しかし、ARTは違います。
ツールが論理的に整理されており、右側のパネルに必要な機能がまとまっています。そのため、「明るくしたい」「色を変えたい」といった目的から、直感的にツールを探すことができます。

ARTが特に優れているのが、**「ローカル編集（マスク機能）」**です。
これは、写真の一部分だけを選択して、その範囲内だけを編集できる機能です。

例えば…

• 「空だけをもっと青くしたい」
• 「逆光で暗くなった人物の顔だけを明るくしたい」
• 「背景の特定の色だけを落ち着かせたい」

こんなワガママな要望も、ブラシで塗ったり、グラデーションをかけたりするだけで簡単に実現できます。この機能があるおかげで、写真全体の雰囲気を壊すことなく、狙った通りの表現が可能になります。

1. ARTの公式サイトにアクセスします。
2. お使いのOS（Windows, macOS, Linux）に合ったインストーラーをダウンロードします。
3. ダウンロードしたファイルを実行し、画面の指示に従ってインストールすれば完了です！

ARTでの編集は、とてもシンプルな流れで行います。

1. 写真を選ぶ（ファイルブラウザ）： ソフトを起動すると、左側にフォルダ一覧が表示されます。編集したい写真（RAWファイル）を見つけてダブルクリックします。
2. 編集する（エディタ）： 写真が中央に大きく表示され、右側に編集ツールが並びます。
3. 明るさを調整する（露光）： まずは「露光」タブで、写真全体の明るさやコントラストを整えましょう。
4. 色を調整する（カラー/トーン補正）： 次に「カラー/トーン補正」タブで、ホワイトバランス（色温度）や彩度を調整して、好みの色合いに仕上げます。
5. 部分的に調整する（ローカル編集）： 必要であれば「ローカル編集」タブでマスクを使い、空や人物など、特定の部分だけをさらに追い込みます。
6. 書き出す（エクスポート）： 編集が終わったら、左下にある「現在画像を保存」アイコンをクリックして、JPEGやTIFFなどの形式で保存します。